5/13(金)、無事に、サイエンスカフェ水戸、別企画、 「『もっとわかる放射能・放射線』を読もう」を行うことができました。
(開始前に撮影したものです)
当日会場には20名(女性18名、男性2名)のみなさまが集まりました。お子さんも赤ちゃんから3歳くらいまで、全部で7名ほど。みなさまには、私の方から 「もっとわかる放射能・放射線」のテキストをお渡ししました。
はじめに、東北大の長神さんのグループが作られた
こちらのポスター(pdf)をもとに、ごくごく簡単に放射能(または放射性物質)と放射線のお話をさせていただいた後、すぐに、水戸市、茨城県、そして周辺地域との比較などに移らせていただきました。固定局のデータだけでなく、県が全市町村で測定したもの、そして、2日前から測定され始め公開された、水戸市の小学校のデータも見ていただきました。
会場のみなさんの半分くらいが、ネット等でこのような情報を得ていらっしゃったようですが、残りの半分くらいはご存知なかったようです。
と、このあたりからすぐに、切れ目なく質問の連続となりました。こちらも必死にお答えしていたので、うろ覚えのところもあるかもしれませんが、アフターカフェで出たものも含め
-雨については今どんな状況で、どうしたら良いのか?
-学校給食のことが気になる
-これまで野菜からいくつか基準値以上のものが検出されているが、今後何に注意したらよいか?
-放射性ヨウ素、放射性セシウムだけでなく、他の元素はどうなのか?
-母乳に出たことがあったが、どうとらえてよいのかわからない
-マスクをすることは、どれだけ効果があるのか?
-体内に取り込んだものを出すような薬や、他の予防手段はないのか?
-学校は測定開始されたが、幼稚園や保育園では予定がない。どういうふうに働きかけたらよいのか?
などなど、このような内容でした。その都度、テキストを見ていただいたり、あれば私の方で用意した資料で、現在出ているデータがどのくらいかお伝えしてゆきました。が、はっきり答えられなかったものもあったのも事実です。申し訳ありません。
多数あった質問や意見の中でも、知らなくて答えに困り、かつ、大事だと思ったのは、1999年に起きた東海村JCO臨界事故の時との比較でした。参加者のみなさんの中には、あの時に屋内退避を経験された方も数名いらっしゃいました。あの時に被害を与えたり漏れ出した放射線や核種は何で、周辺各地では何Sv(またはGy)の放射線量が測定されたのか? その時と今回との比較を水戸の方は欲していて、参考にしたいと思っていらしゃることがわかりました。今後の課題です。
そのようなわけで、上記のように、予想どおりというべきか、放射能について科学的に説明するというよりは、生活してゆく上で何に気をつけたら良いのか、個人(や家庭)の行動だけでなく、学校など社会に働きかける時にどういうことが問題になるのか、何ならできそうなのか、というような、お悩み相談的なものがほとんどでした。そんな話が気楽に(でもマジメに)できたのも、私が前に立ったからなのではないかと思いました。
実際、気付けばうろちょろする子供を追って席からいなくなってる方、それから、子供をだっこしてあやしながら質問される方、幼稚園お迎えがあって早退した方など、無理ない雰囲気で話ができたのではないかと思います。
今回、「テキストを読もう」とタイトルをつけましたが、実際に読み上げることは少なく、CoSTEPの著者のみなさんには申し訳なかったのですが…。参加者のみなさんが帰宅された後、何かの時にぱらぱらめくってみてもらえるようアナウンスさせていただきました。是非、そういうふうに役立てていただけたらと思います。
はっきり言って、専門家のみなさんより知識の量などかなり少なく、イベント準備(告知、受付、連絡調整等)にも時間を取られ、一人でやることの大変さを改めて感じました。
しかし、少人数、対話重視、参加者に主婦多数、水戸(茨城)ローカル情報中心ということで、良かった点もあったのではないかと思っているところです。
今後、同じようなニーズがあればさらに勉強して出てゆくことも考えたいですし、もちろん、専門家の先生をお呼びする形も行いたいです。
最後に。このような急な企画にも興味を示してくださり、会場をご提供いただくだけでなく、カフェ常連のみなさんにもアナウンスしていただいた、カフェぐるんぱのオーナーご夫妻に感謝いたします。ありがとうございました。
それから。参加費から飲み物代、会場費、テキスト代を差し引いた残りの1650円を、ハチバス基金に寄付させていただきます。みなさま、ありがとうございました。